1972 Galant GTO DOHC2000 R73-X (Show Model 参考出品車)


1973年に賭ける未知の魅力 GTO R73-X

1972年10月の第19回東京モーターショーにて
ショーモデルとして公開されたのが、このR73-Xである。

今迄の17Xシリーズに代わり、新設計の2000CCエンジンを
次期GTOに搭載する為、数種類のエンジンが設計された。
OHCアストロンと6気筒サターン、そしてコルトF2000用
DOHC4バルブエンジンをデチューンした物も
次期MRとして計画が有ったのだが、将来の排ガス規制と
エンジンコスト高等で量産には至らずに試作で終わる。
その試作エンジンと17XIIをベースに改造、専用ボディーを
製作させてショーモデルとして完成させたのである。
エンジンだけではなく、外装もかなり変更されていた。
全長幅共に60mm延長され、フェンダーやボンネットは
次期GTOに6気筒エンジンが積まれる計画が有った時に
デザインされた物と思われる。フロントバンパーは17Xの
純正バンパーを逆さにして、それを整形している。他に
サイドシグナルランプは純正品の向きを変えてみたりと
ベース車のパーツを上手に利用している。

トランクに装着されるスポイラーはなんと上下可変式で、
サイドブレーキレバーとワイヤーを使い手動操作する。
大径タイヤ装着の為の叩き出しオーバーフェンダーや、
ピラー部のスクープウインドー、グリルとテールランプも
このショーモデル専用となりヨーロッパ風デザインに。
R69B DOHC 2000 4VALVE ENGINE

1971年、レース用初DOHC1600CC4バルブR39エンジンを
コルトF2-Bに搭載し220psを得て成功を収め、
そのコルトF2シリーズ展開と共に次期GTO-MR用
量産型DOHCエンジンを計画、製作されたのがR69B。
ソレックスツインチョークを装着して180psを発生する。

DOHCにMCAシステムとカム改良、吸排気系の合理化で
パワーを極力押さえた低公害DOHCとして製作されたが
ソレックスキャブでの排出ガス規制のクリアが困難と
コスト高で量産されずに試作されただけで終わるのである。

73年のコルトF2-D用R39Bエンジンでは実に290psを誇るが
オイルショックや環境問題で三菱はレース活動休止。
舞台は海外ラリーに移り実績の有る4G32サターンに絞り
その後DOHCエンジンは1987年発売のミラージュの4G61と
新生ギャランの4G63迄待たねばならず
それ以前に実際に量産された三菱DOHC車は
ギャランGTO-MRの「4G32GR」エンジンのみであった。


GTO 2000 DOHC Design Image

72年9月に書かれたGTO2000DOHCのイメージスケッチ。これがR73Xとなった。

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