ギャランGTOストーリー第6話

1975-1977    NEW Galant GTO (A55C)(B-A55C)(A57C)(C-A57C)

GTOの完成形、最終型登場。


1975年2月、振動と音を抑えた新設計エンジン
「アストロン80」を搭載し、精悍なフロントグリルと
トランクオープナー付の「ニューギャランGTO」を発売した

前回オーバーフェンダー装着のGS-R廃止後
ニューギャランGTOの登場に伴いエアダムスカートと
カラーグリルを装着したGS-Rも復活するが、9月に
昭和51年排出ガス規制合格のMCAエンジン車発表で
未対策車は在庫のみで併売され、GS系はカタログ落ち。
規制合格車を先行購入すると、51年3月迄取得税4割、
4月から6月迄2割減免の特典がありました。

1975 NEW GalantGTO 2000GS-R (A57C-NGTZ)

  1975 NEW Galant GTO 2000GS-5 (A57C-NGZ)
車種構成は2000SLが落とされ4車種に。

1700SLはサターン1700エンジン搭載で継続するが
80エンジンをメインに発売する為少量生産。

SL-5、GS、GS-Rは全車新「80」エンジンを搭載。
4G52 ASTRON80GS ENGINE(1995CC)
125ps/6200rpm 17.5kg-m/4200rpm

このエンジンはサイレントシャフトと呼ばれる2対の
シャフトを上下非対称に設置、チェーン駆動して
振動を出し、振動で振動と音を消す画期的な機構。
また前出のアストロンに比べてもパワーは
スポイルされる事も無く同一スペック。

1975年2月から9月迄生産されたこのエンジンは
ギャランGTOシリーズ中でも最も生産期間が短く、
次の51年度排出ガス規制に対応した
MCAエンジンにバトンタッチする事となる。

(写真はGS-R用のツインキャブ付125psエンジン)

1976 NEW Galant GTO MCA2000GS-R(A57C-NGT)
MCA-51 排出ガス規制合格車登場


1975年9月22日、昭和51年排出ガス規制を合格させた
MCA-51システム搭載車発表。10月から順次発売。

車種構成は、4速車消滅で新たに5速標準装備の
MCA1700SL-5とMCA2000SL-5の2種類のみ。

新たに2分割式プロペラシャフトとミラー黒色化、
MCA2000SL-5にはエアダムスカート装備。

1976年2月、MCA80-51システムとツインキャブを
搭載しパワーダウンを最小限に抑えた「GS-R」が復活。



1976 ギャランGTO最終型登場

1976年5月、ギャランGTO最後のマイナーチェンジ。前後
コーナーラバー付バンパーとSL系にカラーグリル採用。
1700SL-5にエアダムスカートを付け全車エアダムに。

(写真は逆文字GSRストライプとモール類をブラックアウトし
精悍なルックスになったMCA2000GS-R)
4G52 MCA80-51 ASTRON80GS ENGINE
115ps/6000rpm 16.5kg-m/4000rpm


上記の「アストロン80」エンジンに、エアポンプと
サーマルリアクターとEGR(排気再循環器)を装着し
触媒レスで51年規制をパスしたMCA-51エンジンが
GTO1700と2000最終型に全車搭載された。

(MCA=Mitsubishi Crean Air system)

その中でもツインキャブを装着、プレミアムガソリン仕様で
最小限のパワーダウンで51年規制をみごとに合格させた
MCA80ツインキャブエンジンを76年2月に
復活したGS-Rに搭載、発売された。

(写真は最終型GS-R用のツインキャブ115psエンジン)


1976年5月、ニューギャランセダンからフルモデルチェンジした
ギャラン煤iシグマ)」が登場すると、記録的な販売台数を記録。
クリーンでスポーティーなスタイルはGTOにも似て大好評。
11月には全く新しいゴージャスなラグジュアリー2ドアHT
「ギャランラムダ」も登場。ニューギャランハードトップ消滅。
両車ともGTOで搭載のMCA-51エンジンを全車搭載。

翌年シグマとラムダが大人気を博し、GTOの生産台数は激減。
このエンジンも当時世界一厳しいと言われた
53年排ガス規制をクリアー出来ず、コルトギャランベースの
古いボディーで新エンジン搭載の形式認定取得を断念。
シグマやラムダは新エンジン「MCA-JET」を搭載する中、
ついにギャランGTOは7年間の生涯を閉じ、結果的に
ギャランラムダにバトンタッチする形となった。

輸出を含めた全生産台数は95.720台との話で、
当時同時期に生産されていたトヨタセリカは100万台近く
のヒット作であった為商業的には苦戦した様だ。

1976   GALANT 煤@-SIGMA-  (A123A) 
余談だが、三菱の2ドアスペシャリティカーシリーズは昭和45年のこの「ギャランGTO」から始まり、
昭和51年の「ギャランラムダ」が発売し、昭和57年5月に「スタリオン」が登場。
その後、ギャランGTOが発表された70年10月から、ちょうど20年後の1990年10月に
「GTO」の名が復活し、94年には「FTO」も復活。GTOは約10年の長寿モデルとなったが2000年に両車消滅。

30年間にわたる一つの歴史がピリオドを打ったのであるが、また近い将来フラッグシップカーの復活を期待したい。

(C)2002- Galant GTO NETWORK