1971-1975   Galant Coupe FTO (A61 A62 A63)

ひろがりのクーペ、ギャランFTO。

ギャランGTOの兄弟車、FTOにも触れておこう。
この車は三菱コルト11-Fの後継として、
1971年10月のモーターショーで発表後発売された。

コルトFの後継から解かる様にFTOの「F」の名は
ファーストバックのFであり、画期的なそのスタイルは
リアから見るとセダン、サイドから見るとクーペで
後方視界とトランク容量の制約を解決し、
GTOと同じ半径50インチカーブドグラスとドア、
ボンネットはコルトギャランと共用としながらも
そのショートノーズと当時としてはワイドなトレッドで
ホイールベースの比率は理想の黄金分割に近い。

グレードはGI、GII、GIIIの3種構成。
量販グレードのGIIは60万円で、ギャラン14L-SLと
同程度の価格設定で若者をターゲットにしていた。

1973  Galant coupe FTO 1600GS-R  (A63-NGW)

GIIIの6連メーター         「NEPTUNE」OHV1378CC
コルト11-FのOHVエンジンをベースに、新開発1400CCは
新たに「ネプチューン」と名付けられ、GIとGIIは86馬力を発生し
GIIIはエアスクープとストロンバーグツインキャブ装着で95馬力。

1973年2月28日には早くもマイナーチェンジ、OHC化される。
ELとGLグレードはギャランで好評なサターン1400CCに変更、
92馬力にパワーアップ。同時に1600も追加され、100馬力のSLと
5速ミッションのSL-5、ストロンバーグツインキャブ装着で
110馬力を発生するGS-5、GS-Rの6種構成に拡大。

走りのモデルGS-Rはカラーバンパーに「黄金分割」へさらに近く
オーバーフェンダーとワイドタイヤにリミテッドスリップデフ、
ハードサスで武装し軽量な競技ベースとしても最適で、
ザ ベストスポーツクーペ イン ジャパンと評価された。

GTOに比べてヤングターゲットにしていたFTOには、
個性的なオプションが純正用品として多種用意。
タイヤ、リアガラス、ラジオ、コンソールボックス、
ストライプテープを選択後、オプション品を選ぶ。

スポーツバイザと呼ばれるリアウインドウの日除けにはじまり、
前後のカバードバンパー、マフラーカッター、8トラックステレオに
2種から選択するルーフレザートップ、フォグランプ、ミラー、
小物はオリジナルエンブレムにバッジ、泥除けの他にも多数。
1974年10月、保安基準改正による
安全対策により、GS-Rから
オーバーフェンダーが廃止され、
タイヤもサイズダウン。商品力向上
にGS-R専用カラードグリルと
GS車標準の各部メッキモール化。
ボディカラーもアテネオリーブに
フジホワイトの2色。GSは消滅。

他グレードも安全対策を実施、
GS-R、1600/1400SL-5、GLの
4種に縮小された後、1975年3月に新発売されたランサーセレステと併売されるが、同年8月頃FTOは生産中止となった。
余談だが、ギャランFTO登場から23年後の1994年10月には「三菱FTO」として名前が復活し、2000年夏迄生産された。

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